「やるしかない……もう後戻りできないから」
私立サドンデス学園に入学したばかりのかのんは、校舎を見上げながら心に固く誓った。
学園は、とある地方都市に、とある目的を掲げて設立されたばかりの進学校だった。
そのとある目的とは……
──求む! 日本の政治を変える若者たち! 未来の総理大臣は君だ!!──
(私立サドンデス学園公式 HP トップページより)
街の声「なんか怪しくね?」「新たな政治団体?」
──選挙に勝つのは知名度、手段を選ばない圧倒的な知名度です! ○○党を見なさい!!──
(私立サドンデス学園公式 HP 学園長談話より)
街の声「なんかやばくね?」「誰がこんな学園に入るんだ?」
──当学園は入学金、授業料、教材費他一切の費用を頂きません。また、年に一度実施する選抜総選挙で優勝した個人又はグループ(当学園では以降「党」と呼ぶ)には当学園グループによる生涯年金の支給と、政治活動資金の一切及びバックアップを保証致します──
(私立サドンデス学園公式 HP 入学案内より)
街の声「生涯年金の支給だって!」「マジか!」「行くしかねーだろ!」「おかーちゃーん!」
こうして私立サドンデス学園の初年度募集には、政治には無関心なものの生涯年金だけは受け取りたい若者による、定員をはるかに上回る応募が殺到したのだった!
──私立サドンデス学園選抜総選挙とは、政治活動に絶対的必要不可欠な不動の人気を獲得することを念頭に置いた、全学園生ひいては国家のための、未来に向けた一大イベントである──
(私立サドンデス学園公式 HP 選抜総選挙実施要項より)
かのんは考えた。
選抜総選挙を勝ち抜く圧倒的な人気を得るための方策とは……
こうしてアイドルカツドン部(「アイドルによる愛は勝つドンと恋」部の略称)を結成、そこに、しぐれ、あやね、ここあ、きららの四人が加わり、来たる選抜総選挙に向かって猪突猛進? の活動を開始した!
一方、すでに選抜総選挙の優勝を睨んで活動していた、ももえ率いる生徒会執行部(会長はじめ役員は入学試験の成績優秀者より選任)はこのアイドルカツドン部の存在が気に入らない。くるみ、ひなき、ふたば、もみじの生徒会役員とともに、ついに闘いの火蓋は切って落とされた!
……のだが、この物語、「お題目」はさておいて、ひたすら学園のすったもんだな日常が描かれていく……のだった。
つづく!